同時に継続記帳指導も完了となりました。関係者の皆様、お疲れさまでした。
今回は、その継続記帳指導について記事にしたいと思います。
そもそも継続記帳指導というのは(租税教室などと同様に、地域性があるそうですが)、開業間もない事業主の皆さんなど、記帳に不慣れな方が税務署へ記帳指導を申し込むと、私のような税理士が無料で派遣されて記帳方法を指導してくれるというものです。
私の担当状況としては、昨年度中に数件のお客様に、平均的に年4回程度の訪問指導・確認をさせて頂きました。終了時期は事前に確定しているわけではありませんが、確定申告期前後になることが多いです。
複式簿記を学生時代にかなり勉強したことのある方から、今まで帳簿に触れる機会が全く無かった方までいらっしゃいましたが、それぞれ皆さん上達して頂けた印象です。
通常の税理士業務では、意識しない事項(例えば、帳簿の締め切り線の長さ等)にまで質問が及びます。何でもスラスラ返答できるのが理想なのですが、簿記学校で教わって以来という質問事項もあり、日々勉強です(汗)。皆様、拙い指導にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
そんな訪問指導を数回継続すると、最終的には少し親しみをもって接してもらえたり、私としても親しみを覚えて来るというのが継続記帳指導の面白いところだなと感じています。
今回の最後に、訪問指導させて頂く中で多いなと感じた簿記の基礎事項について説明をしておきたいと思います。一般的に「残高と損益」「ストックとフロー」と呼ばれる概念です。
現金や預金や借入金というのは、開業1年目時点で〇〇円、2年目時点で〇〇円、3年目時点で〇〇円、4年目時点で…というように積み上がって行く(減る場合もあるわけですが)ものです。したがって、今期から来期に変わると残高を繰り越して、長期に渡って貯めて(減って)行くものです。このグループは、「資産・負債」とも呼ばれ、決算時に「貸借対照表」へまとめられるものです。
対して、売上や仕入というのは、開業1年目のみで集計し、2年目のみで集計し、3年目のみで集計し、4年目のみで…というように、各年だけの合計を計算するものです。したがって、今期から来期に変わると0円から再スタートするわけです。このグループは「収益・費用」とも呼ばれ、決算時に「損益計算書」へまとめられるものです。
減価償却などにおいても、常に上に書いたような科目の性質を意識しておくと、根本的な理解が深まります。
今後記帳する際には、こんなことも意識して、是非頑張ってみて下さい。