今回は実地棚卸の重要性についてご説明致します。
棚卸資産の数量と言っても、中古車販売業の在庫中古車と、飲食店の在庫食品では、数え易さや、数量の重要性が全く違います。
自動車という在庫品は、数え易いですし、1台1台の自動車がそれぞれ重要なものだと思います。これに対して、食品という在庫品は、個数で数えるのは正確にはならず、重さで数えるのは難しく、賞味期限の問題もあり、1個1個の食品の重要性は低いということになります。
事業者さんは、それぞれにとって数え易さと重要度に応じた在庫管理をされていると思います。
常に一定の方法で在庫管理がされていれば、ある程度は問題無く会計処理できるというのは間違いありません。
そしてそれは、実地棚卸でなくとも、帳簿棚卸という計算上の在庫管理でも、ある程度は問題無く会計処理できます。
しかし、例えば正確な棚卸資産の把握ができなければ、期中の利益計算も不正確にしかできません。また、消費税の棚卸資産の調整を行う場合には、正確な在庫リストが無ければできませんので、税務申告上の問題を生じることもあります。
そうは言ってもなお、限られた時間の中で、完璧な経理処理・在庫管理を行うのは、やはりとても難しいことです。
そこで当事務所としては、細かい収支・利益状況が必要な場合や、銀行融資の申し込みや、事業計画によって、ポイント押さえた実地棚卸を行っておくことをお勧めしています。
実地棚卸は、何度か行っていれば、次第に正確迅速に行うことが出来るようになります。
そうすれば、将来的な会計資料作成も楽になって行くという利点もあるだろうと思います。
常に帳簿棚卸だけを行っている事業者の皆さんも、たまには実地棚卸を行って、正確な会計で事業を振り返って見ると良いと思います。