現金主義とは、帳簿を作る方法の一つです。
現金・預金が増減したときに、売上・仕入を記録する方法です。
これに対して、発生主義というものがあります。
発生主義も、帳簿を作る方法の一つです。
報酬受取や費用支払の債権債務が生じたときに、売上・仕入を記録する方法です。
※なお、便宜的に発生主義に実現主義を含めて話を進めます。
帳簿作成は、発生主義を原則としており、税務署も発生主義を前提として納税者を見ています。
そして、実務上は、現金主義は通帳で確認できることが多いのに対して、発生主義は請求書の管理がしっかりしていないと確認が難しくなってしまいます。
そのため、原則的には発生主義で帳簿作成すべきところではありながら、現金主義で帳簿作成した方が確実な帳簿作成ができる状況になっているわけです。
ところが、多くの場合、申告は1年単位で行いますので、年単位で見ると発生主義で記録しても現金主義で記録しても、売上高・仕入高ともに変わらないものがほとんどです。ただし、年度の変わり目だけは、発生主義で考えれば(n)年度の売上高・仕入高に含まれるが、現金主義で考えれば(n+1)年度の売上高・仕入高に含まれるものが存在します。
いわゆる、売ったけどまだお金をもらっていない、買ったけどまだお金を払っていない取引です。
色々な論点を総合し、現金主義か発生主義かによって売上高・仕入高が変化してしまう、年度の変わり目だけ発生主義で正しく記録しましょう。それ以外の時期は、現金主義でも発生主義でも売上高・仕入高は変わらないので、確認が容易な現金主義で記録しましょう。というのが期中現金主義です。要するに、年度の中盤は現金主義にするという意味です。
期中現金主義の概略が終わったところで、今回はここまで。次回は、給付金との関係のお話をしたいと思います。