「課税最低限」とは、税金がかかる最も低い所得を指します。“所得税の”「課税最低限」、“住民税の”「課税最低限」など、制度毎に課税最低限が存在します。
近年、主要政党間で所得税の基礎控除をどうするかという話し合いが盛んに行われていました。結果として、「課税最低限」が“引き上げ”られることになりました。
ここでは、今年(令和7年分:2025年分:2025.1.1~12.31の間の所得を指します)の課税最低限についてまとめたいと思います。
基礎控除の段階が増えました。
基礎控除の金額 基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じてそれぞれ次のとおりとなります。
(注1) 令和7年分の上記規定は、令和7年12月1日に施行されます。施行日前の適用関係などについては、「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A(令和7年5月)(PDF/1,225KB)【https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdf】」をご確認ください。 (注2) 令和7年11月30日以前に、令和7年分の所得税の死亡又は出国に伴う準確定申告書の提出をする方は、令和6年分以前と同様に改正前の基礎控除の金額を適用しますので、令和7年11月30日以前に提出された準確定申告書については、令和7年12月1日以後、更正の請求により改正後の基礎控除の金額を適用することができます。 (注3) 令和7年分以後の基礎控除の金額は、居住者でない場合、58万円が最高額となります。 (注4) 令和元年分以前の基礎控除の金額は、納税者本人の合計所得金額にかかわらず、一律38万円です。 (出所)国税庁Web抜粋「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
上の表が、今回の基礎控除改正をまとめた表になります。
税制に関係なく、収入を大きくする方向で働いていた方であれば、今回の改正も特段意識することはないかも知れません。そうではなく、扶養の範囲内で働きたいとか、税金の一切かからない範囲内で働きたいという方々にとっては、大きな影響があります。従来はパート・アルバイト収入で年間103万円まで(所得税)が、税金のかからない範囲でした。この金額が、年間160万円まで(所得税)が税金のかからない範囲へと改正になります。
この、所得税部分だけを切り取れば、とても良い改正なのですが、住民税と社会保険料についても見てみましょう。
従来はパート・アルバイト収入で年間100万円まで(住民税)が、税金のかからない範囲でした。この金額が、年間110万円まで(住民税)が税金のかからない範囲へと改正になります。
従来はパート・アルバイト収入で年間130万円まで(社会保険)が、社会保険上の扶養でいられる範囲内でした。この金額は改正されず、そのままとなっています(令和7年分)。なお、年間150万円まで(社会保険)へと改正になるのは19~23歳の被扶養者のみです(令和7年10月1日~)。
税金が全く発生せず、社会保険上でも扶養でいられるという、経済的にも心理的にも気軽でいられるような、負担の小さい働き方は、どうなったでしょうか。結論を述べますと、所得税上の年間給与収入160万円までという水準ではなく、もっと低い、住民税制上の年間給与収入110万円までという水準になりました。つまり、金額的には年間給与収入100万円が110万円に変化しただけですので、税金ゼロの働き方(課税最低限)にとっては、そこまで大きな改正にはなっていません。
従来はパート・アルバイト収入で年間100万円まで(住民税)が、税金のかからない範囲でした。この金額が、年間110万円まで(住民税)が税金のかからない範囲へと改正になります。
従来はパート・アルバイト収入で年間130万円まで(社会保険)が、社会保険上の扶養でいられる範囲内でした。この金額は改正されず、そのままとなっています(令和7年分)。なお、年間150万円まで(社会保険)へと改正になるのは19~23歳の被扶養者のみです(令和7年10月1日~)。
税金が全く発生せず、社会保険上でも扶養でいられるという、経済的にも心理的にも気軽でいられるような、負担の小さい働き方は、どうなったでしょうか。結論を述べますと、所得税上の年間給与収入160万円までという水準ではなく、もっと低い、住民税制上の年間給与収入110万円までという水準になりました。つまり、金額的には年間給与収入100万円が110万円に変化しただけですので、税金ゼロの働き方(課税最低限)にとっては、そこまで大きな改正にはなっていません。
それでも、減税が行われたのは事実ですし、僅かな税金であれば、あまり気にせず労働量を増やすべきという言論があります(政府の方向性としてもそうでしょう)。しかし、全ての納税者にとって、税金計算という作業が簡単かと言えば、そんなことはありません。計算方法がわからない、計算する時間がないなど、税金計算が身近で無い人も大勢いるわけです。そのような中で、税金ゼロの働き方(課税最低限)という心理的な手軽さは、大変理解し易い大きな魅力であり、勤労に対する積極的意識形成にとって重視されるべきことだと思います。
所得税の課税最低限だけを年間給与収入160万円にするのではなく、住民税と社会保険料の課税最低限も、所得税と同様に年間給与収入160万円とすることで、金銭的な実効性は勿論のこと、納税者の意識にもより実効的な減税になることでしょう。
所得税の課税最低限だけを年間給与収入160万円にするのではなく、住民税と社会保険料の課税最低限も、所得税と同様に年間給与収入160万円とすることで、金銭的な実効性は勿論のこと、納税者の意識にもより実効的な減税になることでしょう。

