あんしん税務会計

栁下真英税理士事務所

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2022年08月10日

期中現金主義②

前回は、期中現金主義そのものの説明でした。今回は、この期中現金主義が、コロナ関連の給付金申請上、どのような問題になるかというお話です。

それでは、続きを書いて行きます。
この期中現金主義は、年度末に売上高・仕入高が多めに計上されることになります。これ自体は、毎年同じことですから、大きな問題では無かったのです。しかし、持続化給付金や事業復活支援金などのコロナ関連の給付金を申請する場合は、少し問題を生じます。

通常の取引であれば、支払条件(発生主義~現金主義までのタイムラグのこと)は月末締-翌月末払とか、月末締-翌々月末払とか、それらの変則形となっていることが多いと思います。
すると、期中現金主義では、年度末に2ヶ月分~3ヶ月分の売上・仕入が記録されることになります。反対に、年度初めの1ヶ月間~2ヶ月間は売上・仕入の記録がされないことになります。

そして、多くの給付金で、対象月の売上高の変化率を申請基準にしていました。したがって、通常の帳簿書類では、年度末を対象月とする場合は、数ヶ月の平均的な変動が必要になります。反対に、年度初めを対象月とした場合は、給付金がもらえません。

これを防ぐために、年間平均を使用して申請基準判定をする方法などもあったわけですが、それはそれで季節性のある業種には不都合です。

当事務所では、年間平均基準の使用や、全月発生主義による帳簿作成などで対応しましたが、やはり例年とは作成方法の違う帳簿になってしまったりという弊害は残ることとなりました。

この期中現金主義という方法で記帳を行っている、行わざるを得ない事業者は、結構多いのではないでしょうか。
もっと言えば、実務上はわりと一般的だが、給付金関係の管理運営サイドからは特殊と判断されているのが、期中現金主義の実態だろうと思います。今後の給付金動向はよくわかりませんが、期中現金主義についても、もう少し考慮した申請基準の策定をお願いしたいと思いました。
posted by yagishita-tax at 11:47| 会計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月22日

期中現金主義について①

今回と次回の2回に分けて、期中現金主義と給付金について、少し思うところをまとめたいと思います。

現金主義とは、帳簿を作る方法の一つです。
現金・預金が増減したときに、売上・仕入を記録する方法です。

これに対して、発生主義というものがあります。
発生主義も、帳簿を作る方法の一つです。
報酬受取や費用支払の債権債務が生じたときに、売上・仕入を記録する方法です。
※なお、便宜的に発生主義に実現主義を含めて話を進めます。

帳簿作成は、発生主義を原則としており、税務署も発生主義を前提として納税者を見ています。

そして、実務上は、現金主義は通帳で確認できることが多いのに対して、発生主義は請求書の管理がしっかりしていないと確認が難しくなってしまいます。
そのため、原則的には発生主義で帳簿作成すべきところではありながら、現金主義で帳簿作成した方が確実な帳簿作成ができる状況になっているわけです。

ところが、多くの場合、申告は1年単位で行いますので、年単位で見ると発生主義で記録しても現金主義で記録しても、売上高・仕入高ともに変わらないものがほとんどです。ただし、年度の変わり目だけは、発生主義で考えれば(n)年度の売上高・仕入高に含まれるが、現金主義で考えれば(n+1)年度の売上高・仕入高に含まれるものが存在します。

いわゆる、売ったけどまだお金をもらっていない、買ったけどまだお金を払っていない取引です。

色々な論点を総合し、現金主義か発生主義かによって売上高・仕入高が変化してしまう、年度の変わり目だけ発生主義で正しく記録しましょう。それ以外の時期は、現金主義でも発生主義でも売上高・仕入高は変わらないので、確認が容易な現金主義で記録しましょう。というのが期中現金主義です。要するに、年度の中盤は現金主義にするという意味です。

期中現金主義の概略が終わったところで、今回はここまで。次回は、給付金との関係のお話をしたいと思います。
posted by yagishita-tax at 15:10| 会計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月13日

実地棚卸

皆さんは、棚卸資産の数量について、正しく把握していますか?
今回は実地棚卸の重要性についてご説明致します。

棚卸資産の数量と言っても、中古車販売業の在庫中古車と、飲食店の在庫食品では、数え易さや、数量の重要性が全く違います。
自動車という在庫品は、数え易いですし、1台1台の自動車がそれぞれ重要なものだと思います。これに対して、食品という在庫品は、個数で数えるのは正確にはならず、重さで数えるのは難しく、賞味期限の問題もあり、1個1個の食品の重要性は低いということになります。

事業者さんは、それぞれにとって数え易さと重要度に応じた在庫管理をされていると思います。
常に一定の方法で在庫管理がされていれば、ある程度は問題無く会計処理できるというのは間違いありません。
そしてそれは、実地棚卸でなくとも、帳簿棚卸という計算上の在庫管理でも、ある程度は問題無く会計処理できます。

しかし、例えば正確な棚卸資産の把握ができなければ、期中の利益計算も不正確にしかできません。また、消費税の棚卸資産の調整を行う場合には、正確な在庫リストが無ければできませんので、税務申告上の問題を生じることもあります。

そうは言ってもなお、限られた時間の中で、完璧な経理処理・在庫管理を行うのは、やはりとても難しいことです。
そこで当事務所としては、細かい収支・利益状況が必要な場合や、銀行融資の申し込みや、事業計画によって、ポイント押さえた実地棚卸を行っておくことをお勧めしています。
実地棚卸は、何度か行っていれば、次第に正確迅速に行うことが出来るようになります。
そうすれば、将来的な会計資料作成も楽になって行くという利点もあるだろうと思います。

常に帳簿棚卸だけを行っている事業者の皆さんも、たまには実地棚卸を行って、正確な会計で事業を振り返って見ると良いと思います。


posted by yagishita-tax at 15:22| 会計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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